思いを込めて削る


先日、岐阜に新築を建て、引っ越してきた兄家族のお祝いとして
ダイニングテーブルを制作し納品しました。

お母さんのあったかい料理がそこに並ぶこと、
かわいい姪っ子たちがいつかそこで宿題をすること、
楽しいことが大好きな兄が、友達を呼んでお酒を飲むこと、
なによりも、そこが家族の居場所であること、
そんな思いを込めながら、ひとつひとつの鉋削りをしました。

兄家族が岐阜に戻ってきたことがなによりうれしいし、
あったかく明るい大きな家で義姉がやさしく見守り、
姪っ子たちが元気に育つ姿が目に浮かびます。

家族という最上の幸せがそこにありますように。

立ち位置 〜木工房ようび 大島さん

木工房ようび

世の中には、刺激を与えてくれる人たちがいます。
その人たちと接することで計り知れないほどの前へ進む勇気が得られます。

そんな人たちのひとりが木工房ようびの大島さんです。
岡山県西粟倉村でヒノキの家具作りをする工房で、
単に「家具づくり」に留まらない活動で、いまやあまりにも有名になりました。

大島さんは同じ森林たくみ塾出身です。
塾では僕とは全く年代がかぶってなく、年は一つ違いですが、木工の大先輩の一人です。
そんな彼とはひょんなことでやり取りするようになったのですが、
いまでは、なぜかまったく理解できないのですが、とても親しくしていただいてます。

今週、アカデミーの国内研修があり、僕は引率で西粟倉村を訪れ、
村の人との交流会の場や工房見学の際に大島さんといろいろ話をしました。

大島さんの頭の中は宇宙なので、
時折この人は何を言っているんだろうと思う時もありますが(笑)、
僕は彼や工房のメンバーが目指す職人としての技の上進と継承は
これからの社会がまさしく求めるところなので、いつも応援しています。

一方で僕は彼とは真逆を目指す人間です。
職人としての技の垣根を取り除き、より広く一般に広めたいと思っています。

そんな真逆さが気持ち良いほど自分の立ち位置を明確にしてくれます。
同じ志である人たちとの交流ももちろんいい刺激になるのですが、
こういう違う位置にいる人との交流もいい刺激になります。

僕は人にとても恵まれています。
みんなに感謝して、また明日を生きたいと思います。

イタヤ細工

イタヤ細工

秋田から持ち帰ってきたイタヤ細工の数々。
かご、コースター、イタヤ馬、イタヤ狐たち。

イタヤ細工がどんなものかは、
このようにしっかり書かれているページもあるので、ここでは説明はしませんが、
とにかく、イタヤカエデの白い美しさが何とも言えない、民芸品です。

職人の本庄あずささんにお話を伺いましたが、
この世界に飛び込んだ頃は、女性は歓迎されなかったそうです。
というのも、材料を入手するには山仕事をこなさないといけないし、
木を割って、裂いていく力仕事、
さらにはあぐらをかいで作業をするため、女性には向かないとされていました。

それでも、てきぱきときれいに編み込んでいく手仕事はつい見惚れてしまいました。

最近は、職人さんの高齢化やいい材料がなかったり、
刃物屋の廃業で慣れ親しんだ刃物が手に入らないなど
なかなか厳しいとおっしゃっていました。

並んでいるかごやバッグ、どれも美しいものばかり。
最近は、支持してくれる女性が増えているとの話。

イタヤ細工は、とにかく丈夫なんだそうです。
古くからかご屋を営むおばあちゃんは、
「あれはいいもんだ!絶対こわれねー!」とおっしゃってました。
一生ものだそうです。

伝統を受け継ぎ、未来へつないでいく若い職人さん。
頼もしい限りですが、もっと広がることを願うばかりです。

曲げわっぱ

まげわっぱ 摺漆

昨年授業で制作した曲げわっぱを、今年の漆の授業で漆塗りで仕上げました。

何度やっても、どんなに防御して漆かぶれだけは防げず、
梅雨の時期とともに毎年かぶれているような気もしますが、
かぶれに負けず、今年こそは、という思いで挑んでいます。

写真左の楕円は外側、内側ともに摺漆。
ふたの上部にちょっと欠点があったので、
ふたの模様を海とあしらい、その上に浮かぶ月と称して、
その欠点を隠すためにコクソで三日月の模様を入れました。
朔汰に見せると、「おつきさま」と言って理解してくれたのでよかったです。

右側の丸い曲げわっぱの内側は塗りです。
塗りは難しいのかなと思ってましたが、ほこりさえなんとか防げば、
そこそこの出来栄えになることがわかりました。

漆も、やってみると意外に扱いやすいもの。
それもM先生のおかげだと思います。
もっといろいろ塗っていきたいなぁと思います。

これまでのプラスチック弁当箱を脱出して、
やっと、自分で作って自分で塗った曲げわっぱを使えるようになりました。
あぁ、うれしい。

森から海へのエールを続ける理由

森から海へのエール

森から海へのエール」という木工を通しての被災地支援活動を始めて1年半。
先日、新たなフォトフレームを制作するために材料を調達してきました。

この1年半、この活動を通して様々なことを学んできました。
正直、楽しさと辛さの割合だと、半々、もしくは辛さのほうが多いかもしれません。
僕が勝手に言い出して、勝手に始めた活動ですが、
まだまだ僕は小さかったのかもしれません。
ボランティアの域を超えて、全てを抱え込み、
一人で勝手にもがきながら、なんとか続けてきましたが、
少し限界を感じていたのも事実です。

活動を始める際、初期メンバーで話し合って定めた目標寄付金額、60万円を大きく上回り、
現在73万円の寄付をしています。
そういう意味で、どこかでもう十分かなと思ったこともありました。

でも、続けることにしました。

新たに材料を買い、新たにフォトフレームを作り、新しい商品も作り、
そして何よりも関わる人が楽しめる活動となるように、
少し気持ちを楽に構えてみることにしました。

自分が辞めることで誰も文句も言わないだろうし、これまでご苦労さんで終わるんだけど、
だからと言って、震災の傷跡はまだ癒えていないわけだし、
同じ日本人が、遠くにいる人たちがそのことを忘れることが一番怖いし、
自分自身がそのことをより自分のこととして考えられるようにするためにも、
主体となって何か活動していないと、って思ってしまいます。

今の子供たちに、どんな未来を残すのか、何を考え、どう行動するのか、
世の中には、本当に素晴らしい人たちがたくさんいて、
そういう人たちをちょっとでもバックアップするためにも、
自分にできることをするということを大事にしたいと思うのです。
自分にできることなのに、やらないということにはしたくないのです。
喜んでくれる人がいる、ほんのささいなことでも社会のためになる、
自分にできることがその部分につながっているのなら、やっぱりやりたいのです。

今回の材料は、岐阜で広葉樹2次林を適正に管理し、
健全な森を将来へつなぐ活動をされている
「ものづくりで森づくりネットワーク」から購入します。
しっかりとした理論に基づき適度に間伐された広葉樹を適正な対価を支払い購入し、
それをしっかりとした技術で加工し商品にして、
その売り上げを東北の海につなげる。
山側と海側の両方を支援する仕組みとして、
この活動がその部分を担えるようにしていきたいと思います。

これまでの「見える支援」という大前提を維持しつつ、
より山と海をつなげる活動へ。

もちろんそのためには、こんなちっちゃなちっちゃな活動ですが、
たくさんの人の協力が必要です。
悟空が両手を上げて、すべての生命体から少しずつパワーをもらって作る元気玉のように
まずはちょっとずつの気持ちと関心が必要です。

ということで、「森から海へのエール」はこれからも続きます。
たいそうな名前を付けて活動してますが、なんだかんだ言って
僕自身がたくさんの人からエールをもらってるような気もするんです。

協力したいっていう奇特な人がいましたら、ぜひ連絡くださいね。
(そういえば最近、奇特っていう言葉の意味を正しく理解していない人が多いらしい)

(あぁ、今日はもっと軽い文章書くつもりだったのにな。。。)

もっと暮らしを豊かに



自然の創造物ってなんでこんなに出来上がってるんでしょうね。
不完全のようなフォルムでもあり、それが完全でもあり、
この絶妙な形でのいでたちが、凛としていて、見惚れてしまいます。

さて、昨日から新しい1年生の手工具の授業が始まりました。
木工の道を歩みだした6人。
その第1歩が今ここにあるのです。

以前のブログにも書きましたが、
木工家の井崎正治さんの授業が4月と5月初めに2回ありました。
大御所の木工作家でもあり、生粋の職人でもあり、
繊細なアーティストでもあり、敏腕なプロデューサーでもあり、
とにかく、その技術、知識、実績どれをとっても神のようなお方です。

そんな井崎さんは、名人の技術はいらない。
身の丈の木工、身の丈の作品作りが重要というお話をされました。
また、生活の中で自分の作品を使う意義を何度も説いていました。

僕は、木工を仕事としているけれども、
人間国宝を目指しているわけでもなく、国展を目指しているわけでもなく、
売れっ子作家を目指しているわけでもありません。

僕が目指しているものは、豊かな暮らしがある町をつくること、その一点です。
よく「木のものづくりの楽しさを伝えたい」と言う時がありますが、
正確には「自分で作った木の生活道具、家具を自分の暮らしの中で使う、
その喜び、その豊かさを感じる人を増やしたい」んです。

木工はもっと広く一般に広がるべき、だと思っています。
日曜大工よりも一つ上のレベルでものをつくることができたら、
おいしい手料理を、自分の作ったお皿に盛ることができたら、
大人になってもずっと使えるような勉強机を子供に作ってあげることができたら、
週末のんびり読書をする時に、自分で作ったイージーチェアに座ることができたら、
代々受け継がれるような家具を自分が作ることができたら、
数段上の暮らしの豊かさを感じることができると思います。

そのための環境、設備、知識、技術を開放したいのです。

自分自身まだまだ未熟なところは多々ありますが、今は下積み期間。
いつか遠くない未来に、木工も、それを伝える・教えることも含めて、
凛とした仕事ができるよう、がんばりたいと思います。

改めていろいろ考える

蝶ちぎり

Facebookとか見てると、いろんなGWが進行中だなぁと思います。
我が家は2日には親友家族が泊まりに来て、
今日4日は、嫁と子供が京都の実家へ帰省しました。
あ、父ちゃん、おいてけぼり。

そうなんです、ちょいと期限が迫っている制作物を連休中にやらなきゃいけないので、
どこも行くことなく自宅工房でいそいそと作業しています。
ちょっと難点がある材料を使っているので、あーでもないこーでもないと
あれこれ考えながら制作中。

そういえば、
4月5月で2度、アカデミーの授業で木工家 井崎正治さんから道具の作り方を教わりました。
(教員も学生に交じって勉強勉強なんです。)
これまで、カンナやノミといった道具は買うものであり、
そのある道具を制作の中でいかに使いこなすかというところばかり考えていましたが、
今回の授業ではまさにその逆。
作りたいものがあって、そのために道具をつくるというもの。
端材と廃棄される金属板から鉋をつくったり、
ハイス鋼の丸棒からばんかきをつくったり、
自分の持ちやすいように、手になじむようにその形状も削ったりして整えたり。
その道具らを使って、最終的にはお皿をつくったり。

木工はもっと万人のものであるべきと思ってますが、
今回の経験でさらにその思いが強くなりました。
道具がもっと身近に、木工がもっと身近に感じられるようになりました。
身構える必要なんてないんだって。

たくさんの人に木のものづくりの楽しさを知ってもらいたい。
お店に行けば、かっこいいデザインの家具や雑貨が買えるし、
機械を駆使すれば、いろんな加工が短期間でできるけど、
じっくり時間をかけて自分の手で自分の生活の道具をつくっていくのは
この上ない贅沢です。
その良さを伝えれる人間になるためにも、今は経験をどんどん積んでいかないと。
まだまだ先は長いけど、楽しい旅です。


タイトボンドIII

TitebondIII

木工用の接着剤、
「木工用ボンド」とかかれた黄色いボトルのものを思い浮かべる人が多いかと思います。
白ボンドって言ったりしますが、固まると透明になりますよね。
安いし、接着力も十分で非常にいいボンドだと思います。

で、僕が使ってるボンドはタイトボンドIII。
値段も結構するんですが、とても万能な接着剤で重宝します。

そんなタイトボンドIIIは、
2年前にアメリカからガロンボトルを購入したのですが、
アメリカに住んだことがある人はわかりますよね。牛乳のガロンボトルと同じです。

そしてその1ガロンがこの春無くなりました。
タイトボンドIIIの保存期間は2年間。
保存期間内に消費できてよかったです。

さぁ、次のボトルを買っておかなきゃ。

作業台づくり



自宅工房で作業をしていていろいろ気になる点があります。
集塵のこと、機械の配置のこと、そもそもスペースを有効活用できていないこと、
水銀灯の照明が木工の作業に向いてないこと、、、、、、
手を加えたいところは山ほどあるのですが、まずは手っ取り早いところで、
ちゃんとした作業台がなかったので作ることにしました。

これまで簡易的な作業台をつくってそれでなんとかやり過ごしてきたわけですが、
人に来てもらって(最近はアカデミーの学生たちがよく来ます)、
一緒に作業していると、その簡易作業台1台では限界がありました。

ホームセンターでヒノキの建材を購入してきて、一気に4台作りました。
しっかりした木組みで組立て、まぁ、これで当分行けるでしょう。

将来的には、この自宅工房は市民工房として広く開放したいと考えています。
そのために今できることはちょこちょことやっていこうと思います。

ウォールナット

ウォールナット

最近購入したウォールナット。
2.7mで幅もそこそこあり、なかなか高価なものです。
でも驚くのは、その素直さです。
ほとんど反り、ねじれもなくすーーっと気持ちよく伸びています。
育った環境も製材・乾燥の技術もよかったんでしょう。

加工すればするほど色濃く、艶やかになっていきます。
こういう木材でものを作るのは気持ちがいいですね。


selected entries

categories

recent comment

  • ひとつ年をとりました。
    Ke-ji
  • ひとつ年をとりました。
    mika
  • 森から海へのエールを続ける理由
    Ke-ji
  • 森から海へのエールを続ける理由
    Saki
  • いつまで続くこのかわいさ
    Ke-ji
  • いつまで続くこのかわいさ
    ココママ
  • いつまで続くこのかわいさ
    さおり
  • いつまで続くこのかわいさ
    elephantkadowaki
  • 作業台づくり
    soh
  • 朔汰 2歳になりました。
    Ke-ji

archives

OLD BLOG

recommend

recommend

recommend

recommend

search this site.